最近見た映画8本。感想一気書き
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最近見た映画の感想を一言ずつ書いていきますよ。
ユナイテッド93(United93)
アメリカの9.11テロの映画。ハイジャックされた飛行機4機の中で、唯一目的地に到達しなかった機体の実話。乗客が一丸となってテロリスト犯と戦うシーンは感動。
内容的に「面白かった」って言いにくいんだけど、とてもいい映画でした。
こういった極限状態の中では、乗客どうしで仲間割れを起こしたり、感情を押させることができなくなったりしそうなものだけど、結果的にチームワークを生かしてハイジャック犯と戦うことができたという過程が素晴らしかった。しかしながら、目的地への到達は阻止したものの、飛行機が墜落して生存者なしという結果もなんとも言えません。
監督が『ボーン』シリーズでおなじみの Paul Greengrass ということで、臨場感のあるカメラワークはさすが。カット割りを多用したテンポのよさ、手ブレすらも味方につける演出、カメラズームによる視線誘導などは健在でした。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(Once Upon a Time in… Hollywood)
配信で見て良かった映画。もし映画館で見てたら、何が面白いか分からなかったかも。
実話ベースにしてるのですが、実際に何が起こったのかを調べていたおかげで、ラストのクライマックスが始まったときに「え!?そうなるの!!??」って素直に驚くことができました。映画館で見ていたら、事前に Wikipedia で予備知識を入れないので「裏切り」が起こらず、やや盛り上がりに欠けていたかも。
一番面白いのはクライマックスだけど、ブラピとディカプリオのキャラクターがとても良く、他の登場人物も個性が立っているので、序盤中盤もずっと楽しめます。
君の名は。
これは申し訳ないんですけど、僕の口には合わなかったです。
『千と千尋の神隠し』と『もののけ姫』と『ターミネーター』と『トイ・ストーリー』と『マトリックス』と『村上春樹』を足したようにしか見えなかったです。
新海誠監督作品は、知り合いに「好きそう」ってよく薦められます。確かに僕が好きそうな雰囲気だし、僕の友達に僕がいたら、多分薦めると思います。でも、全然面白くないんですよね。昔おすすめされた『秒速5センチメートル』も、6年くらい前に見たことは覚えてるけど、中身は全く覚えてないです。なんか電車のシーンがあった気がする、というくらい。
フィッシャー・キング(The Fisher King)
1991年の映画。『ミセス・ダウト』や『グッド・ウィル・ハンティング』でも有名なロビン・ウィリアムスの演技が本当にすごかった。
古い映画なので、今見ると「全体的なテンポがイマイチだな」とも思うんですけど、一方で、印象に残るシーンがとても多く、終わったときの後味はとても良かったです。
例えば、駅の中で周りにいるお客さんたちが一斉に社交ダンスを始める(そしてすっと元に戻る)とか、公園に騎士がやってくる(1回目は驚いて逃げるけど、最後には逃げなくなる)とか、映画を象徴するようなシーンがいくつもありました。こういう一発のフックみたいなのは、昔の映画の方が強いのかも、と思いましたね。
マイアミ・バイス(Miami Vice)
マイケル・マン監督が撮る、夜の都市はやっぱり好きですね。
元のドラマも知らないから、あまりストーリーが追えなかったです。2回は見なくてもいいかな。
ザ・ギルティー(THE GUILTY)
2018年のデンマークの映画。
緊急指令室(日本で言う110番?)にかかってくる電話だけで話が進展していく、新感覚のサスペンス・スリラー。面白かったです。
電話だけから得られるヒントは少ないです。環境音、声のトーン、近くの人の声。しかし、これだけでも、意外と向こうの状況が伝わるものです。
しかし、映画の観客以上のアンテナを持ち、音だけから的確に状況を判断し、次の一手を正しく打つオペレーターのプロフェッショナルっぷりはさすが。
90分の短い映画の中でめまぐるしく状況は展開し、最後まで目が(耳が?)離せませんでした。
この映画を知ったのは、年末に地元の静岡市のサールナートホールで見た『ナイト・ライド~時間は嗤う~』という映画について調べたときでした。ナイトライドを見た後にネット上の感想を読むと、この映画と比較したコメントが多かったので見てみたという次第。
『ナイト・ライド』の方が後発ではあるものの、車を運転しながらハンズ・フリーで電話をして人を動かし、同時に自分も車で移動するという、電話のこっち側とあっち側がクロスオーバーする点に面白さがあります。ザ・ギルティーに新しく要素を足しており、単なるパクりになっていないです。
ちなみに、サールナートホールで見た『ペルシャン・レッスン』の感想はこちらから。
ガンズ・アキンボ(Guns Akimbo)
ダニエル・ラドクリフの両手に銃がネジ止めされるというアホな設定から始まり、最後までアホ全開のまま突っ走る、最高の娯楽作品。
ゲームのように簡単に人が死に、殺し合いにどっちが勝つか賭ける人がいる(バトル・ロワイヤル風)という、中二病丸出しの設定が頻出します。戦闘シーンとか、敵キャラ「ニックス」の立ち振る舞いも、完全にゲームのキャラ。
以前「いい本を読むと人生の角度が1度変わる」と書いたのですが、この映画は僕の人生に何の影響も与えません。この映画を見た世界線と見なかった世界線で、僕は全く同じ人生を歩むでしょう。
しかし、そのくらい娯楽に振り切った作品は大好きです。『ミッション・インポッシブル』もそうですね。
ダニエル・ラドクリフは『ハリー・ポッター』の後にヘンテコな役をやることが多いですね。
Everything Everywhere All at Once
先週発表されたアカデミー賞を総ナメにした作品。
日本公開は海外より1年くらい遅くて、楽しみにしてたので映画館に見に行きましたよ。
「マルチ・バース」つまり同時に並行して存在するいくつもの世界、というものを扱っています。VR とか セカンド・ライフ、あるいは 脱Twitter から Fediverse の流れがあるので、今の私たちにとっては比較的「マルチ・バース」を理解しやすい環境が整っていますが、10年前だったら全く意味が分からなかっただろうな、とも思うわけで、簡単に言うと「今っぽい」作品ですね。
だけど、そういった社会情勢みたいな理由付けがどうでもよくなるくらい、面白い作品でした。この映画の中でも、別の世界での出来事が、最終的には現実世界での家族愛に落ち着くわけですし。
個人的に好きだったのは「生物の発生条件が満たされなかった世界線」に飛ぶシーンです。一体どうやったら、こんな飛躍した発想に行き着くんですか? ここの転換は『Pony Island』ってゲームでの演出に感動したのと近かったですね(下の画像)。あとは、最後の階段を上がるシーンで、これまでの伏線を一気に回収するところも、あまりにしょーもなくて面白かったです。
この映画は日本語の配信が始まったら、あと2回は見たいです。
字幕の文字制限の都合上、ダジャレが多かったと思うのですが表現できてなかったと思うんですよね。ラカクーニって登場人物が、アライグマの英語「ラクーン (Racoon)」から来てるって説明されてなかったと思います。あと、これは自分が海外に住んでいたからかなり気になるポイントだったのですが、登場人物によって英語のアクセントがかなり違いました。主人公は中国移民だから中国アクセントですが、子供(つまり移民二世)は完璧なアメリカ英語で、祖父からは逆に「中国語が下手」って言われるとか、そういった葛藤も、セリフでは表現されてないもののあるだろうなと思うわけです。.
おわりに
3行ずつくらいで終わらせるはずが、結構たくさん書いてしまった。
本当は映画・本などまとめて書くつもりでしたが、映画だけで一旦終わります。