巡りめぐって縄文ZINE
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今回は僕が数年前に経験した、フリーペーパー『縄文ZINE』にまつわる奇妙な話。
受け取ったバトン
とある知り合いに、縄文ZINE というフリーペーパーの第6号と第7号をもらいました。
彼は別れ際にさっと渡し、「面白いから、読んでみて」としか言わず、多くを語りませんでした。
家に帰って読んでみるとこれがとても面白く、布団で横になりながら、一人でクスクスと笑いました。
そして、僕がこれを好きになるだろうと見切っていた知り合いの観察眼はすごいと思いました。
誰に受け継ぐべきか
さて、このもらった縄文ZINEをどうしようか。
内容が面白いだけに、このまま捨てるのはあまりにも惜しい。
迷った末に、僕も知り合いと同じように、この本を好きになるであろう人に渡すことにしました。
渡す相手は、僕が時々ランチに行っていた店の主人にしました。夫婦で経営している店で、夫婦揃って本好きで、また店内に並べられていた本のラインナップが僕の好みとよく似ていました。
いつものようにその店に行き、ご飯を食べます。
会計をするときに財布を出すためにカバンを開けると、中に入っていた縄文ZINEを見た奥さんが「その本なんですか?」と声を掛けてくれました。
「これフリーペーパーなんですけど、面白かったのでぜひ読んでほしいと思って、持ってきました」と伝えると、奥さんは素直に受け取ってくれました。
そして、僕もこの本を知り合いにもらったこと、そして、読んで面白かったら、さらに別の知り合いに渡してほしいことを伝えました。
受け継がれたバトン
翌月、その店に行き、会計時に奥さんと少しだけ立ち話をしました。
僕から尋ねる前に、奥さんから前回渡した本について話をしてくれました。
「すっごく面白かったですよ。それで、私も友人に渡したんです。そしたら彼女『なんでこの本持ってるの~~!?』って! なかなか手に入らないみたいで、喜んでくれました」
それを聞いて、ああ、この本を渡す相手は間違ってなかったんだ、と ほっとしました。
(補足)当時は web閲覧 は限られていた
補足をしておくと、現在の縄文ZINEは Web閲覧 ができ、ほとんどすべてのバックナンバーを読むことができます。また、配布したらすぐに公開されます。
しかし当時は、1~3号くらいしか公開されておらず、配布終了から公開までのラグも非常に長かったです。
つまり、縄文ZINEを読むには、フリーペーパーの実物を手に入れるしかない状況だったのです。
おわりに
今回は、短編小説にでてくるような不思議な実体験の話でした。
「縄文ZINE がどう面白いのか」が全く伝わらなかったと思うのですが、とりあえず↓「縄文人の立ち話」で雰囲気が伝わると思います。フリーペーパーの20ページくらいが全部この雰囲気と思えば、だいたい合ってると思います。
第1~4号+α の合本も販売中なのでぜひ。もちろん僕も持ってます。