海外のイラストレーターに個人で仕事を依頼した経験談
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このブログのヘッダーとプロフィール画像を、チェコに在住の Margarita さんというプロのイラストレーターの方に描いていただきました!
いい絵すぎて泣きそう! しかもめっちゃいい人で感謝!
今回は、海外のイラストレーターに個人で依頼するという珍しい経験ができたので、どんな感じだったのか記録を残しておきたいと思います。
↑ Margarita Khavanski さんのポートフォリオ。これを見て一目惚れした。
どうやって探したか
イラストには海外の雰囲気が欲しかったので、以前少し住んで雰囲気が気に入ったチェコに絞り、「Czech Republic illustration」のようなワードで Google 画像検索をしたと記憶しています。
気になったイラストの出典を辿ると、作者のポートフォリオや連絡先にたどり着くことができます。
よさそうなイラストレーターの方が何人も見つかったものの、Margarita さんの絵は一目で気に入り、迷うことなくお願いすることに決めました。
どうやら日本にも縁のある方のようで、日本の絵本をチェコ語に翻訳したとき、絵の担当もしたことがあるようです。
最初のコンタクトから完成まで、コミュニケーションはすべて英語で行いました。時差もあるので、連絡はすべてメールです。
ちなみに、今回調べる中で初めて知ったのですが、Adobe社の運営する「Behance」というサイトがあります。世界中の方がポートフォリオを公開できるSNSのようなサイトで、特に目的もなくパラパラと見ているだけでも面白かったです。イラストだけでなく、写真もあります。イラスト依頼を考えている人は、このサイトも見てみると面白いかもしれません。
依頼内容と予算
今回欲しいイラストは、全部で4つありました。Margarita さんには、欲しい物と全体の予算を一通り説明し「ただし予算的に4つすべては無理なのは承知しています。どれくらいなら描いてもらえそうですか」と聞きました。
今回のような個人からの依頼は、イラストレーターの方にとっては間違いなく小さい仕事です。アクセス数が少ないブログでは媒体として弱いので実績にもなりにくく、さらに絵本のようにまとめて何十ページも描くのに比べたら効率も悪いでしょう。はっきり言って、あまり割に合わない仕事だと思います。
それでも僕は、個人の出費としては小さいとは言えない、精一杯の予算を提示しました。
Margarita さんもその希望に答えてくれて、予算内で複数描けるように「こんな感じの描き方であれば、この値段になりますがどうでしょう」と、工夫して1つ1つ見積もりを提示してくれたのが、とても嬉しかったです。
結果として、ヘッダーとプロフィール画像の2点をお願いすることになりました。
今回出した要望は↓以下の通りです。
- 旅やバックパッカーという要素を入れる
- 青色はどこかに使用する(ブログのテーマ色に合わせるため)
- 少しだけメランコリー(憂鬱)な雰囲気を入れる
- プロフィール画像ではサンドウィッチを持つ
そして出来あがったのが、この2つ。
ざっくりな要望で、こんなに素敵な絵を書いていただるなんて、本当に感激です!!
僕が Margarita さんのポートフォリアを見て気に入ったポイントの1つは、ほとんど全てのイラストに、何かしらのファンタジー要素(非現実)が入っていたことです。そのことはあえて伝えなかったのですが、電車の車窓の向こうに宇宙が広がっている、という素敵な世界を描いてくれました。
おおまかな流れ
最初の依頼から完成までで、合計20通(10往復)ほどのメールのやりとりをしました。
前述のような要望はあらかじめ準備しておき、それを最初に送った後は、基本的に Margarita さんが主導してくれました。このようなやりとりには慣れているようで、スムーズに進みました。
まずはいくつかアイデアをスケッチで提示して「どれがいい?」と聞いてくれるので、選んで返答。次は色つきの案を複数提示して「どの色がいい?」と聞いてくれるので、選んで返答。この繰り返しで、完成に近づいていきました。
僕が採用しなかった案もいいものばかりで、ボツにするのがもったいないという気持ちで終始いっぱいでした。
最初の話では、いくつか修正があれば受け付けるということになっていました。しかし、提示してくれるものがあまりに良く、僕が修正をお願いしても画竜点睛を欠くだけだと感じたので、最後まで依頼はしませんでした。
今回やりとりする中で素敵だなと思ったのは、 Margarita さんが決して「purchase」や「commission」や「work-to-hire」という言葉は使わなかったことです。
一貫して「our project」や「collaborate」や「work together」という言葉を使い 「一緒に作り上げましょう」という姿勢を感じました(といっても、自分は何もできないんだけど…)。
脱線しますが、これに似たような文脈があります。ジェンダーの話題で、夫婦の家事の分担に関する際には、夫が「help」するという言葉はよくないとされます。適切なのは「share」という言葉で、どちらかがメインではない、という背景です。これに似たニュアンスを、Margaritaさんの言葉遣いから感じました。
まとめ
今回は、海外のイラストレーターに依頼をして完成までの、おおまかな流れについて経験談を書きました。
依頼をする上でいろいろと気をつけた所があるので、より細かいあれこれは次の記事で書きたいと思います。