【ANZ】オーストラリアの銀行口座を放置したら大変なことになった【旅行記】
[カテゴリ] travel

「ワーホリ 口座 放置 どうなる」 といったワードで検索してたどり着いた方へ。
僕の場合を簡潔にお伝えします。
口座を解約するために、現地までいく羽目になりました!!!ANZの口座を10年間放置し続けた結果、ANZからメールで
「口座手数料を払い続けて残高のマイナスがめっちゃでかくなってる! いい加減にしろ! お前の将来の信用にかかわるぞ!」 (※意訳)
という警告が来ました。怖すぎ!!
他の方のブログなどを見ると、口座をそのままにして帰国したあと・・・
- 自動的に解約された / 凍結された
- オンラインで解約の申請ができた
といったケースもあるようです。しかし、僕の場合はそうはなりませんでした。
失敗の要因としては
インターネット・バンキングのパスワードを忘れてしまったことが大きいかと思います。アホすぎ。
怠惰な僕とは違ってみなさんが同じ道を辿る可能性は低いと思いますが、1つのパターンとして参考になるかもしれませんので、これまでの経緯を詳細に書いておこうと思います。
ここから先の文章は、長い長い「口座解約までの経緯」です。旅行記だと思って読んでください。
口座開設から10年間の経緯
2014年2月 口座開設
時は2014年。

オーストラリアで約1年間のワーキングホリデーを始めるにあたり、シドニーの Broadway というショッピングセンターにある ANZ の支店で口座を開設したと記憶しております。
ワーホリではいろいろな仕事をし、この口座に給料を振り込んでもらっておりました。
本来は毎月5ドル 口座維持の手数料がかかりますが、最初は語学学校へ通っていたので学生扱いとなり、手数料はかかっていなかったです。
本当は卒業したら学生ではなくなるのでANZに伝えるべきだったと思いますが、そのことは伝えておらず、1年間のワーホリの期間、手数料はかかっていませんでした。
2015年1月 帰国
「海外に銀行口座があれば使うかも」と思い、そのままにして日本に帰ってきました。
これが大きな失敗でした。
その後、約10年間放置。
結局海外の口座を有効活用することもなく、10年間ANZの口座を放置。
この間に、インターネット・バンキングのパスワードを忘れてしまいました。
ときどきANZから「アプリが便利ですよ」みたいな案内メールが送られており、そのたびに「口座なんとかしなきゃなー」と頭のすみっこに引っかかり続けていました。
しかし都合の悪いことからは目を背け続けていました。 僕の悪い癖です。
どうやら帰国1~2年後くらいのタイミングで、手数料の毎月5ドルがかかり始めたようです。残高はほぼゼロの状態で帰国して、約10年の間、残高のマイナスが毎月5ドルずつ増えていったようです。
2025年3月 ANZから警告メールが届く(1回目)
そして今年(2025年)の3月。
ANZからメールが届きました。これまで定期的に送られていた案内メールとは違う雰囲気。背筋がぴりっとしました。

内容を簡単に言うと「残高が19ドル不足しているから、7日以内に支払いしなさい」というものです。さらに 「あなたの将来の信用に関わります」 という怖い文言があります。クレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることができなくなるかも、という意味なのでしょう。日本とオーストラリアでそのあたりの情報を共有しているかは分かりませんが、ただならぬ事態だとすぐに察しました。
ワーホリの間に1回だけ過剰にお金をおろしてしまったことがあり、残高がマイナスになることがあるのは知っていました。また、この10年間「手数料かかってるかもなー」とは思っていたので、おそらくマイナスが大きくなったのだろうという見当はすぐにつきました。
「Please contact us」と書いてあるものの、インターネット・バンキングにログオンはできないので、チャットを送ることはできません。また、このメールには返信不可で、ANZのホームページを探しても、どこにも連絡用メールアドレスは書いてありません。どうやらメールの中にも書いてあるように、国際電話しか連絡手段がないようでした。
国際電話をかける(1回目)
メールを読んで驚いてしまったので、その日のうちにすぐに国際電話をかけてANZに連絡をしました。
しかし、まったく解決しませんでした。
電話をして事情を説明すると「まずあなたが本人であることを確認させてください」と言われ、色々と質問をされます。「最後に使ってATMは?」など。しかし、10年前のことなので、まったく覚えていません。対応してくれた方も、できる範囲で融通を利かせて本人確認できるように頑張ってくれました。しかし僕が全く質問に答えることができず、最終的に「申し訳ありませんが、あなたが本人である確認が取れませんでした。支店に来てください」と、電話が終わってしまいました。
この国際電話に約30分、料金は4000円ほどかかってしまいました。
とりあえず Wise を使って、ANZ の自分の口座に不足分の19ドルだけ振り込みをしました。
2025年4月 ANZから警告メールが届く(2回目)& 国際電話(2回目)
翌月にも、同じような警告メールが届きました。(内容はほぼ同じなので画像は省略)
ただでさえ怖いメールなのに、前回は19ドルだったところが13.84ドルとなっており、微妙に金額が違うのも意味が分からなくて、なおさら怖いです。
今回は国際電話をかけるにあたり、実家からオーストラリア関係の書類を送ってもらい、さらに当時使っていたキャッシュカード(兼デビッドカード)も送ってもらい、質問に答えられるようできる限りの情報を集めて準備をし、ANZの電話に臨みました。
しかし今回の国際電話でも30分粘ったものの、用意した情報では質問に答えることができず、本人確認ができませんでした。
もう2回目の電話をかける時点ではオーストラリアに行くしかないかもと思ってはいたので、電話を切られる前に「分かりました。じゃあもうオーストラリアに行きます。なのでその準備をしたいので、本人確認できなくても、一般的な質問として教えてください」と言って、口座の解約に必要なものを教えてもらいました。
電話窓口の方によると、口座の解約には以下のものが必要だそうです。
- 本人の顔写真付き身分証明書(つまりパスポート)
- ANZ のキャッシュカード
- PIN (4桁の暗証番号)
- PINを覚えていない場合は セカンダリーID(正確に聞き取れなかったけどそんなことを言っていた)
余談ですが、2回目の国際電話は Yolla というアプリを使いました。国際電話が格安でできるようになります。今回は30分の電話で、1.5USD しかかかりませんでした。
電話後、とりあえず今回も不足分の 13.84ドルを Wise で送金しました。
しかし、こんな怖いメールがこれから毎月送られてくると考えたら、心臓が持ちません。
いよいよオーストラリアに行くことを決心しました。早速 ETA を申請し、Jetstar の航空券を手配します。
口座解約の準備
口座の解約に必要と言われた「セカンダリーID」 が何を指すか、色々調べたものの、正確に理解することができませんでした。しかしどうやら、現地に住んでいる場合にはよく用意するものっぽいです。
僕のような外国人の場合は、パスポート以外に身分証明書に使えるものを用意すればよいと解釈し(それくらいしかできることがない)、免許センターで人生初の国際免許証を発行してもらいました。国際免許証は、オーストラリアの100点証明で25点分の扱いになります。あとは名前部分がエンボス加工されているクレジットカードも本人証明書類25点分になりますので、持っていきます。
その他、使う可能性は低いと分かりながらも住民票を発行したり、当時使っていた古いパスポートを用意したりと、身分証明になりそうなものは新旧問わずにかき集めました。
口座解約のためだけに、わざわざ安くない航空券を買ってオーストラリアに行くのです。絶対に失敗したくありません。できる限りの準備をして臨みました。
2025年5月4日 (日)~ 7日 (水) オーストラリア・ケアンズへ
あまり長居できない事情があり、最低限の日にちだけの滞在です。
4日間ありますが、初日と最終日は移動でほとんど終わりなので、現地で動けるのは5日 (月) と 6日 (火) の2日間だけです。
ケアンズを選んだのは、日本から一番近いので移動時間が短く、航空券も安いというだけの理由です。ケアンズのシティ周辺には、ANZ の支店が3つあることは確認済みです。
店員さんのあたりはずれがありえるので、1つ目の支店でダメだったときは2つ目、3つ目とチャレンジしなければいけません。基本的には1日あれば十分だと思いますが、予備日があれば複数回のチャンスが生まれると思っていました。
2025年5月4日 (日) 出発
愛知の自宅を昼食後に出発し、関西国際空港へ。成田、羽田、セントレアは使ったことがありましたが、関空は初めてです。
空港へ向かう途中、スマホで調べ事をしているときに、衝撃の事実を知ります。
現地では5月5日が祝日・・・。絶望。
Labour Day という祝日なのですが、これはオーストラリアの州によって日にちが違います。僕の行くケアンズのある QLD州 が、ちょうど5月5日だったのです。完全に調査不足でした。さらにここまでキレイに日にちがかぶるのも、運が悪すぎます。
しかしもう戻れないし、予備日もある。もしかしたら銀行はやっているかもしれない。一縷の望みにかけて、飛行機に乗り込みました。
21時半、関西国際空港を出発。
2025年5月5日 (月) 何もできない初日
朝6時ごろ、ケアンズ空港到着。
空港からシティへ向かうバス(という名のワゴン車)で運転手さんに祝日について聞くと「ANZはやってないと思うよ」と返事が。「Coles とか Woolworths とかのスーパーは?」と聞くと「スーパーはやってるはず」。
結果、ANZ も Coles も Woolworths も開いておらず・・・。
本来の予定なら、到着日の午前中には口座の解約を済ませ、残りの1日半は観光したり買い物したりと楽しく過ごすはずでした。しかし、この日は口座の解約ができないどころか、ペットボトルの調達すらまともにできませんでした。
チャンスは明日の1日のみ…。今回の滞在中に絶対解約しないといけないのに…。
でも、明日うまくいかなかったらどうしよう。1日じゃ終わらなかったらどうしよう。
この日は何もできないまま、不安で不安でたまらない時間を、ただただやり過ごすことしかできませんでした。
2025年5月6日 (火) いよいよANZ支店へ
ケアンズ・セントラルというショッピングセンターに入っている ANZ の支店へ。
ANZ は9時30分に開くので、9時から並びました。緊張で足の力が抜けて倒れそうだったので、しゃがんで待ちます。
入口が開き、案内の方に「口座を解約したいです」と伝えます。するとその方は「今は予約があってすぐには対応できませんので、11時にまたお越しください」と言って、予約を取ってくれました。
ANZ は16時に閉店します。ここでダメだった場合、2件目に行く時間を確保できない可能性があります。この支店で絶対に解約を成功させなければいけません。
腹が減っては解約はできないので、ショッピングモールのフードコートにあるアジア料理店でラクサを食べました。10年ぶりに食べたけど、おいしかった。
11時。予約の時間になり、いざ ANZ へ。
ANZ でしたことを箇条書きで書くと・・・
- 個別のブースに案内される。
- 担当者の方にパスポートを渡して、口座を解約したいことを伝える。
- 明日日本に帰らないといけないけど、今日中にできます? と聞くと「Yes」と返事(でも、本当かな・・・)。
- 担当者がパスポートを見て、口座の状況を確認してくれる。「残高マイナスですよ」と言われるので、その分を払ってゼロにしたうえで解約したい、と伝えると、なるほどねと納得した表情。
- 残高マイナス505ドルだったので、ブースとは別にある支払い専用の窓口で505ドルを現金で払う。
- ブースに戻ると「マイナスが大きいから保証金っていうのがかかってます。その分も払ってください」と言われ、再び専用窓口に行って、約8ドル払う。
- ブースに戻ると「 That’s it!! 」 Thank you so much!!!!!
ミッション・コンプリート! やったー!!
すごく頼もしい担当者の方でした。
僕のパスポートを受け取って口座の状況を調べてくれた段階で、こちらから何も説明しなくても、事情をすべて把握してくれました。僕は事前に、現状やこれまでのあらすじを説明できるよう紙にまとめて持って行ったのですが、使う必要はありませんでした。
なお、パスポート以外に持参した本人確認書類はまったく使いませんでした。セカンダリーID を出すように言われることもなかったです。
無事口座を解約できたらプレゼントしようと持ってきた黒あめを担当者の方に渡して、「これをみなさんでシェアしてください。日本で作られてる砂糖の飴です」と伝えました。それまで全く笑顔を見せず、淡々と仕事をこなす方だったのですが、飴を渡したときに初めて笑ってくれました。
すべての手続きが終わって、ショッピングセンターの外へ。
10年間残していた宿題を、やっと終えることができました。

午前11時半。ここから軽い気持ちになって、半日だけの短い観光タイムです。
久しぶりのカプチーノを飲み(やっぱりおいしい)、有名な公園を歩き、Coles や Woolworths でお土産を買いました。
7日 (水) 帰国
最終日。朝5時前に起きて、朝早くからやっているカフェへ行きました。
この付近では一番早く開店している店ということもあり、周りは常連さんばかりのようでした。
あとは日本に帰るだけです。
昼12時30分発の飛行機に乗ります。関西国際空港に到着したのは19時30分頃。
愛知の自宅には終電ぎりぎりで間に合い、帰宅したのは0時すぎ。
ちなみに飛行機が着陸してスマホの通信を使えるようになると、ANZ から定期的に送られる案内メールが届いていました。
えっと、これは、、、口座を解約したことが反映されるまでタイムラグがあるだけ・・・だよね??
(その後、案内メールは来ていません)
次回の記事では、銀行口座とは関係のない部分を中心に、ケアンズ弾丸旅行のこぼれ話を書く予定です(追記:書きました。下のリンクからぜひどうぞ)。
