【ファン目線】在日ファンク 結成から現在までの軌跡

更新: 2023-06-19  投稿:
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10年以上リアルタイムで追いかけ続けているバンド『在日ファンク』。
これまでの辿った軌跡を、一人のファンの目線から好き勝手に書いていこうと思います。

あくまで個人の意見 なので 「こういう風に見てる人もいるんだ」 くらいの軽い気持ちで読んでください。

やや否定的な意見も含みますが、ファンゆえの正直な意見だと思ってもらえるとありがたいです(ライブ20回くらい行ってる。これからも行くよ!!)

1st アルバム『在日ファンク』 (2010年)

ライブ定番曲 ◎きず ◯ダンボール肉まん  

印象:オリジナル曲を音源化することが主眼の作品

ハマケンが SAKEROCK では見せないアイデンティティを表現するかのように始めたバンドとして、最初のアルバム。

僕はこの時代はまだ知らなかったのでネットの情報から推測するしかないのですが、ハマケンが James Brown (以下、JB)好きで始めたバンドということもあり、当時のライブは JB のカバーが中心。しかし、いくつかオリジナルの曲が含まれていた模様で、そういったライブで演奏していたオリジナル曲をまとめたのがこのアルバムの立ち位置だと認識しています。

どの曲もとてもキャッチーで、「在日ファンクとはこういうバンドです」と一発で分かります。 十分に「名刺」としての役割を果たしたアルバム、ともいえると思います。

しかし、アルバム全体としての完成度はあまり意識していないのか、単なる曲の寄せ集め感もあり、全体的にばらばらな印象は拭えません。

最後にはライブ版が2曲入っているのは「とにかくライブに来てね」というメッセージでしょう。

シングル3部作『あいつによろしく』『BAY DREAM~FROM課外授業~』『Escape』(2010年)

ライブ定番曲 ◎京都 ◯環八ファンク  

この時点でも、まだ「オリジナル曲の寄せ集め」という印象。

1st アルバムの延長線上という感じです。

この後、サックスの福島ピートさん脱退、後関さん加入。

2nd アルバム『爆弾こわい』 (2011年)

ライブ定番曲 ◎爆弾こわい ◯城 ◯むくみ  

印象:最高傑作!

在日ファンクの作品の中で最高傑作は、このアルバムだと思っています。

最大のインパクトは、表題作にもなっている『爆弾こわい』(PV) 。いまだに在日ファンクの代名詞となっています。僕が在日ファンクにハマったのも、YouTube で爆弾こわいを聞いたら耳から離れなくなってしまったところからでした(そのきっかけは、『ウレロ☆未確認少女』のオープニング曲が良かったから検索したこと)。

普通コアなファンに「一番好き曲は?」と聞くと、定番曲ではないニッチな曲が出てくると思うのですが、在日ファンクのコアなファンに「一番好き曲は?」と聞いたら、恐らく『爆弾こわい』と答えが返ってくると思います。

アルバム全体としての完成度も非常に高く、このままのセットリストでライブで聞きたいと思うほど。

一方で、ここでハマケンの持っているものをここで全て出し切ってしまったか?というのが、僕の正直な印象です。これ以降は長い長い模索の期間が続いたように感じます。

この後、ハマケンの出演していたラジオ『SMJ』から派生した『におい将軍』がシングルとして発売。

ミニアルバム『連絡』 (2012年)

ライブ定番曲 ◯嘘  

印象:前作の流れを汲みつつも、実験的な取り組みが奏功したミニアルバム

1曲目『ホームシック』や6曲目『肝心なもんか』は、アルバム『爆弾こわい』を彷彿とさせる、アップテンポでライブ映えする、在日ファンクらしい曲。

そういった前作の流れを汲んだ曲がある一方で、他メンバーが作詞作曲を始めたのがこのミニアルバムの最大の特徴です(それまでは基本すべてハマケンの作詞作曲)。『ダチ』はトランペットの村上基さん、『嘘』はギターのオオギナ。僕の感想としては、この取り組みがキレイにハマっているように感じました。これまでとは違った雰囲気が入り、ほどよく広がりを見せてくれました。今まで住み慣れていた島から、新しい島を探して空を飛び立ったような感じです。新しい着地点へとつながる期待感を持たせてくれます。

この作品の発売後にも、ライブでは『軌道のってる』などの新曲が次々と披露され、模索を続けている様子でした。

3rd アルバム『笑うな』 (2014年)

ライブ定番曲 ◯根に持ってます ◯場  

印象:正直、いまいち・・・

これまで見せていた在日ファンクのよさはどこへ・・・

一度聞いたら耳から離れない中毒性、歌詞の語感の心地よさ、ライブ映えするメロウな曲。
このアルバムにはそういったものが見当たらない。かといって、新しい魅力を見つけるのもなかなか難しく…。

この背景には、所属の変更が影響していると思っています。このアルバムからコロムビアというメジャーレーベルに移籍をしました。そこで「メジャーに染まってこじんまりした姿勢は見せない!」と表明するため「原点回帰」と前面に打ち出し、全曲ハマケンが作詞作曲というスタイルに戻ります。

しかし結果として、『連絡』で見せていた広がりや、空を飛び立つ感じが失われ、緊急着陸したような印象を持ちました。ただただ、こじんまりしてしまった作品で、いちファンとしてがっかりしたというのが、率直な感想です。

しかし1曲だけ村上基さんの『パラシュート』という曲が入っており、これだけは突出しています。『連絡』で見せてくれた広がりのまま、基さんだけ遠くへ飛んでいってしまったような感じです。

もうちょっと述べると、このアルバムの少し前に Live in Japan というライブツアーが行われ、会場限定で『一揆』という曲が入ったCDが配られていました(行ったので持ってます)。僕はこの曲から、JBの『Living in America』に似た匂いを感じました。それまで在日ファンクが参照していた JB は、1960年代~70年代のいわゆる初期~中期の JB ですが、『Living in America』は後期の作品です。僕は「原点回帰」と聞いたとき、同じJBでも今度は後期のJBの雰囲気を身にまとい、一周回って、螺旋階段の一段上に行ってくれるのかと期待していました。しかし、『笑うな』にはそのような姿もなく、ただただ残念だったのを覚えています。

僕としてはこの時期から、『連絡』で垣間見せていた方向性にいつか軌道修正してほしいと願いながら、ライブに行き、新作を待つ期間が続きます。

『笑うな』のあと、シングル『ぜいたく』発売。

4th アルバム『レインボー』 (2016年)

ライブ定番曲 ◎それぞれのうた ◯ぽいぽい  

印象:良作。復調の兆し

このアルバムは、かなり持ち直してきた良作だと思っています。

これまでの作品でも出ていたハマケンの持ち味を出しつつも、プラスアルファして上乗せした感じが見て取れます。

『ぼくきみ電気』は、過去のバラードとは違った魅力があり、ライブで聞いたときは特に感動しました。
圧巻は7曲目『叩かない戦い』です。ドラム・ベース・ギターに加えて、ボーカルもリズム隊に入ったかのような曲です。いや、むしろ「歌詞」がリズム隊に入った感じ。そして、メロディーはホーンが担当する。
これまでも持っていた日本語のリズムの面白さを、さらにひとひねりしてまとめあげたような感じがしました。

そして『連絡』で見せたような、他メンバーの活躍もあります。『縁の下の力持ち』ではサックスの後関さんがホーンアレンジ。『それぞれのうた』はオオギナが作曲。

『笑うな』では気を張りすぎていたのが、ここにきてリラックスできたように感じます。

『連絡』で撒いた種が、だんだんと結実し始めたという印象です。

このアルバムの後、サックスの後関さん脱退。橋本キッズさん加入。

5th アルバム『再会』 (2018年)

ライブ定番曲 ◯或いは ◯足元  

印象:在日ファンク 2回目の到達点へ

僕は、この『再会』が2nd アルバム『爆弾こわい』に次ぐ作品だと思っています。

長い長いトンネルをようやく抜け、新天地を切り開きました。

全体的な印象としては前作『レインボー』と大きくは変わらないのですが、それをより高い完成度で仕上げることに成功したイメージです。

これまでほとんどの曲で徹底されていた「曲中に誰かのソロを入れる」という暗黙のルールも、最後の2曲では行われていません。そのおかげで力が入りすぎず、適度にリラックスしたままアルバムを聞き終えるので、自然と余韻を噛みしめることになります。運動を終わった後の整理体操という感じでしょうか。

このあとは『おかんむり』『身に起こる』『いけしゃあしゃあ』とシングルが続きます。

コロナもあって、これ以降はペースを下げながらも、活動は続けてくれています。また名古屋にライブに来てほしいな。

おわりに

僕が初めて好きになったバンドも、ライブに行ったバンドも、在日ファンクです。

10年以上はリアルタイムで追いかけ続けているので、これまでの辿った軌跡を一ファンとして好き勝手に書かせてもらいました。

サムネ画像に『爆弾こわい』と『一揆』を入れたかったけど、実家に置いたままらしくて入れられなかったのが後悔。

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