心理学系ポッドキャストはこれ一強!『心理学ニュース』
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最近になって、人気が再燃しているポッドキャスト。
心理の道に進むとする者としては、やはり心理学系のポッドキャストで面白いのがあるか気になるものです。
いろいろ試し聞きをして、僕なりに「これは面白い!」というのを見つけたので、ここでシェアしておこうと思います。
結論:『心理学ニュース』が面白い!
まず結論。心理学ニュース というポッドキャストが面白かったです。
リンク一覧はこちらから。
樋口洋子さんという心理学者の方が中心となって、学者3~5名でおしゃべりをする番組です。
僕が試し聞きした中では、この番組がダントツの一強でした。
注意点=更新は停止してる!
この番組のいいところを書く前に、最大の欠点を書いておきましょう。
それは、すでに更新が停止していること!! 残念!!
合計60話をアップしたのち、2018年を最後に更新が途絶えています・・・。
実は僕も、まだすべてのエピソードを聞いていません。だって聞けば聞くほど、終わりに近づくような気がして、悲しいんですもの。
番組の紹介:学者による「大学のゼミ」
この番組の内容を簡単に紹介しておきます。
- 心理学の学者が複数人(3~5人くらい)参加する。
- 1人が発表者になり、心理学の論文を1つ取り上げて内容を紹介する。
- 他の人は聞き手となり、質問したり別の視点から意見を出したりして、話を広げる。
という流れです。簡単に言うと、大学のゼミ形式ですね。
それを 学者が高いレベルでやっている面白さ
です。
まじめとカジュアルのバランスが完璧
この番組では、まず論文の紹介というアカデミックなところからスタートします。
そこからアカデミックな面だけにとどまらずに、発展していきます。論文の内容を私たちの日常生活に落とし込み、どんどん嚙み砕いた内容に話を深めていきます。それが聞いていて面白いですし、分かりやすいです。
しかし、専門家としての立場も忘れていません。例えば「その実験条件だとこういう制限があるんじゃない?」といったように、ただカジュアルに舵を切っているわけでもない、というバランスがすばらしいです。
アカデミックに軸足を残しながら、もう片足でカジュアルな方向に進めているといったところでしょうか。
こういった番組でありがちなのは、アカデミックな内容によりすぎることです。厳密性を求めすぎるあまり、間違ったことを言えなくなって、思うように発言できないとか。そうなると、ポッドキャスト番組としてはつまらなくなります。あとは、学者が自分の研究内容をしゃべってるだけのもの。それなら、論文をざっと読みした方が早いなと思ってしまいます。
論文のチョイスも秀逸
取り上げる論文のチョイスも素晴らしいです。
心理学にかかわったことがない人でも、日常生活と結び付けられるようなテーマを選んでいます。
例えば第6回の「本を読めば吸血鬼にもなれる?」では、本の中の登場人物になりきり度合いが中心のテーマとなって、話が展開します(心理学の中では社会心理学に近い分野と思われ)。誰でも自分の経験と照らし合わせることができますよね
専門家しか興味のなさそうなテーマは、おそらく意図的に避けているのでしょう。
自信を持っておすすめできる
率直に言うと、残念な点はいくつかあります。例えば、音質がいまいちであること。特にコロナ以降はリモート会議、YouTube配信、ポッドキャストなどの配信環境の水準が上がり、高音質で聞きやすいのが当たり前になってしまいました。それに慣れてしまった耳で聞くと、どうしても聞きづらさは気になってしまいます。
そういったマイナスはありますが、それでもトータルで見たら面白さが上回っていると僕は思います。
自信を持って人におすすめできる番組です。気になった方はぜひ。