(山田,2023)みたいな出典が多すぎて読みづらい問題 - ここが変だよ!心理学 3.5巻

更新: 2023-08-03  投稿:
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イラスト:いらすとや

Amazon の Kindle 本で発売している「ここが変だよ!心理学」シリーズ。

元エンジニアの視点で、心理学で違和感のあることについて書いています。現在第3巻まで発売中(販売ページはこちら)。

今回は本にするほどではない内容を「3.5巻」として、このブログ上で公開します。前々から言いたかった!!

面白かったら、本買ってね。

Warning!
あくまで個人の意見です!

出典を示す(山田,2023)みたいのは、本文中に書く必要あるかね?

心理学の論文や教科書を読んでいると、他の文献から引用したときに(山田,2023)といった書き方をします(赤木,2023)。教科書によっては、一文一文の終わりに(青井,2023)って書いてあるもんだから、めっちゃ読みづらい!(たけし,2023)

あとでも述べますが、本文の最後にまとめて出典を記載すれば、目的は達成できると思っています。

出典が本文中に書かれるのが気になる理由は、3つあります。

① 単純に、邪魔

(桃山,2023)などと書かれると、本文を読むのに邪魔です(紺野,2023)。この部分って、基本的に 情報量は一切増えてない ので(黒木,2023)、教科書とか論文を読む上ではノイズでしかありません(たけし,2023)。

② 言い訳に見える

心理学の教科書は(緑山,2023)の挿入が本当に多いのですが、まるで「私が言ったわけではないので、責任持ちませんよ~」と言っているように見えてしまいます(たけし,2023)。

③ ネームバリューに乗っかってる

出典に名前を示すことで、エライ人の権力に頼ろうとしてる雰囲気を感じざるを得ません(たけし,2023)。特に論文は、本来誰が言おうか関係ないはずで、研究の内容によってのみ、論文の価値が決まるはずです。しかし、(河合,1993)とか(中井,1994)みたいな 有名人の名前を出して価値を高めようとしてる意図 を感じてしまいます。

教科書や論文なら、まだ分かるが・・・

上記の書いたことは、おそらくは僕の心が汚れているので、邪推してしまっているのかなーとは思います。

また、出典が必要なのは間違いありません。どこかには(山田,2023)みたいなことは書かないといけないことは理解しています。そして、心理学の書き方は読みづらく感じるけど、単に流派の違いかなーと納得させることは、一応可能です。

しかし・・・

一般向けの本では、マジでやめていただきたい

(山田,2023)みたいな書き方を、心理学者が一般の方に向けた本で多用するのを見ることがあるのですが、これは本当にやめてほしいです。はっきり言うと、読んでいて恥ずかしいです。

なぜなら、上記に書いたように「①単純に、邪魔」だからです。一般向けの本では、心理学の世界のルールなんて関係ありません。 APA(アメリカ心理学会)のガイドラインに書いてあることも適用しなくていいです。読者のことを一番に考えてください。自戒も込めて。

心理学に詳しくない人って、これを見ただけで「この読みづらい書き方は何? 心理学って人の心が分かるんだから、読者の気持ちもわかるんじゃないの?」みたいなことを平気で言うんです。

僕が実際に見た中で、一番ひどかったのはこれ。

山田はTwitterで「~~」と述べている(山田,2023)。

家で一人で読んでたのですが、声出して笑っちゃいましたよ。Twitterの出典ってなんやねん! 西暦も書く意味ないでしょ!

出典の書き方。他の方法は?

僕が前にいた工学の教科書や論文では、Wikipedia と同じ方式が多かったです。

先行研究では~~ということが示された[1]

このように、本文中では上付き文字で出典番号を割り振ります。そして最後にまとめて、各番号の出典を羅列します。

これであれば、①~③に書いた問題点は起こらないので、僕はこっちの方が好きです。

おわりに

今回はラフな感じで書いちゃいました。Kindle本の方では、これよりも論理的に積み上げる感じで、かつ例えを多めに挙げています。気になった方はぜひ!

Warning!
念のため、上記の(山田,2023)などは、全部架空です。
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