仕事をしながら 心理学部 編入試験 に合格した体験談と勉強方法
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僕は会社で働きながら心理学部の編入試験を合格するという、あまり多くの人が通っていない道を経験しているので、ここに体験談を残しておこうと思います(2020年度の2年編入試験に合格。投稿時点で4年生)。
想定している読者は、これから心理学部に編入しようと考えている人で、特に勉強方法に不安がある人です。
僕の勉強方法や使ったテキストを書いておきますので、参考にしてもらえたらと思います。
編入試験の勉強を始める前は、こんな感じ。
- 心理学の知識はほとんどなし
- 〇〇療法とかは若干知ってる(もともとカウンセリングに興味はあった)
- 大学で専門科目として勉強する内容は全然分からない。
なぜ心理学を選んだか? は省略
心理学を選んだ理由は、ここでは省略します。
これを読んでいるのは、勤めている会社を辞めてキャリアチェンジしようと考えている方や、他学部から心理学部へ転部することを検討されている方だと思います。人生の転換点に自ら進み、かつその新しい道が心理学なのであれば、僕が「心理学ってここがいいですよ」と今さら説明するまでもなく、十分理解されていると思います。
なお、公認心理師という国家資格を取るためには、これからは大学+大学院を卒業することが必須となります。心理の道に進むには、指定された大学を卒業することがスタートとなります。
詳しくは厚生労働省のホームページなどから知ることができます。
なぜ2年編入を選んだか?
なぜ「普通の入学」や「社会人入学」などを選ばずに「編入」を選んだか、については説明をしておきます。
編入を選んだのは、大学の在籍期間を短くして、少しでも早く仕事をしたかったからです。
他の入学方法でも、公認心理師の資格取得に関しては問題ありませんでした。しかし、1年生からやり直さなくてはいけません。
自分はもともと機械工学専攻で別の大学を卒業しているので、今回の1年生の分は、そのときの単位を認定してもらうことができました。
27歳で大学に入り直して、また体育とかやりたくないですからねー笑
本当は3年生から編入したかったのですが、公認心理師の資格取得コースには選抜があり、3年生が始まる時点で選抜が完了しています。遅くとも2年生の時点で在籍していないと、選抜してもらえません。これは問い合わせをしたいくつかの大学ですべて同じ回答でした。
出題範囲は心理学基礎
試験科目は、次の3つです。検討したすべての大学で同じでした。
- 心理学基礎
- 英語(内容は心理学ではない)
- 面接
さて、問題は心理学基礎です。
今まで心理学を勉強したことがないので、どこから手を付けたらいいかさっぱり分かりません。
まずは過去問を取り寄せました。大学にメールで問い合わせをしたら、郵送で過去問を送ってくれるところや、持ち出せないので見に行かないといけないところなどがありました。
過去問を見たところ、ほとんどは用語の意味を説明する問題でした。
そして、出題されている用語のあたりをカバーしているテキストを探しました。
(本当は僕がもらった過去問を見せることができれば、読者の方が手に入れた過去問と出題範囲の比較ができていいと思うのですが、著作権などが心配なので控えさせてもらいます…)
いろいろ買って試した結果、自分がいいと思ったものを紹介します。
主に使ったテキスト
主に使ったテキストは、これです。
※リンクは、本記事投稿時点の最新版。自分が使ったのは2017~18年版なので、若干内容が異なるかもしれません。
このテキストのいいところは、
- 心理学基礎を幅広く網羅している
- それぞれの内容はやや浅いが、編入試験には十分な深さ
内容はやや浅いでいいの?と思ったかもしれません。
浅すぎるのと深すぎるのではどっちがいいのかは議論が分かれるところでしょうが、心理学の勉強はこれが初めてなのであれば、やや浅いくらいがちょうどいいと思います。
浅いとはいえ、自分は取り寄せた過去問で問われる内容は、ほとんどこのテキストに記載されていました。
説明がやや不足気味であったり、他の説明の仕方でないとよく分からないところはあるので、下で紹介するテキストやネット検索で補足する形で進めていました。
(このテキストの「法律・倫理・地域援助」の章は、過去問を見る限り出題されていなかったので、勉強しませんでした。)
ちなみにこのテキスト、入学してからもよく使っています。
これは大学で専門の勉強を始めてから気がついたのですが、はじめにこのテキストをやったおかげで、心理学の全体像がいつのまにか俯瞰できるようになっていました。
授業で詳しい話になっても「このテキストのあの辺りの話を掘り下げてるんだな」というように、現在地を常に把握できるのは、専門の勉強をする上で強みになっています。
補足で使ったテキスト
心理学では有名な実験が多いです。
例を挙げると条件反射(古典的条件づけ)で、パブロフの犬が有名ですね。
重要な心理学用語1つ1つには、過去の実験が紐づいていると言っても過言ではありません。
それらを図を使って、そして分かりやく簡潔に説明しているのがこのテキストです。
本命だった学校では、毎年1問は「統合失調症」のような精神疾患の語句説明が出題されていました。
このテキストで、主な精神疾患の特徴や治療方法などは一通り分かるように勉強しました。
(まあ、自分が受けたときは出なかったんだけどね)
使わなかったテキスト
心理学検定で出題される問題は、内容がかなりマニアックです。大学でも習わないような用語がバンバンでてきます。
趣味で勉強するには面白いのですが、編入試験の出題範囲ははるかに超えています。
編入試験でも出そうなところだけ少しは使いましたが、ほとんど使っていません。
こちらは臨床心理士試験の過去問ですが、心理学検定と同様に、編入試験の出題範囲を超えているので使いませんでした。
半年間、全く遊ばず、ひたすら勉強
僕が公認心理師を目指すために大学に編入しようと決めたのが、2019年の3月。
編入試験は早いところで、10月から。
試験までおよそ半年しかありません。
仕事を早めに辞めて勉強に集中する選択肢もありましたが、それはしませんでした。
ざっとテキストを見た感じ、仕事をしながらでも頑張ればなんとかなりそうだと思いました。綿密な計画を立てたわけではありません。このあたりは高校3年生に受験勉強をしたときの経験で判断しました。
平日は夜8時半頃まで残業をして、帰宅後片付けなどが終わるのが夜10時半くらい(幸いにも寮に住んでいて会社から近かった)。そこから夜1時に寝るまでひたすら勉強です。
土日は休みなので、1日中勉強しました。
心理学部の編入試験は、模擬試験がない。だから自分で作る。
心理学部の編入試験に取り組んでいる人はほとんどいません。ネット上の情報も非常に限られていました。
本当は練習問題や模擬試験を解きたかったのですが、だれも用意してくれません。
なので、自分で問題を作って解いていました。
参考までに、僕がやっていた方法を紹介します。
ノートの左に、上記のテキストに出てくる用語や人名を書きます。
その右に、単語を説明するためのキーワードやキーフレーズを箇条書きでいくつか書きます。
例えば、チョムスキー (Chomsky, N) であれば、
- 生成文法
- 言語獲得装置(LAD)
- 普遍文法
というキーワードを用意します。
そして、ノートの右側を隠して、左側の用語から右側のキーワードを言えるか、というテストを繰り返しました。
試験本番の用語説明で出題されたとき、右側のキーワードをつなげて文章を作るだけで答えになります。
おわりに
心理学部の編入試験の情報は、ネット上でも非常に少ないです。
ここに書いたことが、これから受験する人にとって少しでも参考になれば幸いです。
がんばってください!