ロジカルシンキングを使ってます!とは胸を張って言えない
[カテゴリ] note
ビジネスパーソンにはなじみの深い、ロジカルシンキング。あるいは論理的思考。
自分が仕事1年目でうまくいかなかったとき、ロジカルシンキングは非常に実用的だと知ってから意識して使うようになり、それ以降気持ち的にラクになりました。
しかしどういうわけか、ロジカルシンキングは胸を張って「使ってます!」と言いにくい現状があります。
今日はその理由について書いていきます。
ロジカルシンキングの説明と具体例
まず、ロジカルシンキングとは何か、具体例を挙げながら簡単に説明します。
例えば、このような雑多な単語の並びを整理してみましょう。
まずは、しばらく眺めてみます。
とりあえず、全部動物ですね。しかし、カブトムシなど昆虫は入っていません。単語の中で似たものをまとめると、イヌやウシは人間と同じ哺乳類で、カエルやイモリは両生類です。
ここまでくると、脊椎動物=魚類+両生類+爬虫類+鳥類+哺乳類 という分類が思い浮かびます。この分類を使えば雑多な単語たちをきれいに整理できそうです。実際に並べてみましょう。
そうすると、あれ? 爬虫類の動物が1つもいないな? このリストちょっとおかしいかも、と気づくことができるわけです。
これがロジカルシンキングの効果です。情報を整理整頓すると、すっきりするだけでなく、クリティカルシンキング(批判的思考)もしやすくなります。
今の説明には、MECEやピラミッド構造(ロジカルツリーなどとも言う)といったテクニックを使っており、そういった手法を活用した情報整理術がロジカルシンキングです。
頭のいい人は「ロジカルシンキング」と意識せずにロジカルシンキングしている
さて、冒頭に戻りましょう。
ロジカルシンキングを使っていることを言うのがはばかられる理由が、今回のテーマでした。
これには理由が2つあり、1つ目は、頭のいい人は「ロジカルシンキング」と意識しなくてもロジカルシンキングを使えるからです。
つまり、普通に考えるだけで、ロジカルシンキングの手法を使ったのと同じ結果にたどり着くのです。結構こういう人は多いです。
実際に言ったことはありませんが、もし彼らに「MECEを使って分類すると 脊椎動物=魚類+両生類+爬虫類+鳥類+哺乳類 となります」と言えば「え? よく分からないけど、そんなの当たり前じゃん」と言われるでしょう。
論文など実証されている手法ではない
2つ目の理由は、ロジカルシンキングの良さを説明できないからです。良いことが自明であるため、説明のしようがないです。
先ほどの例で動物の並び替えを行いましたが、バラバラに並んでいるより、並び替えた方が分かりやすいのは明らかですよね。
僕の調べた限り、ロジカルシンキングの正しさや実用性の高さを実証した論文というのは、全然見つかりません。
あるとすれば、「ロジカルシンキングを学校/会社に導入したら、こういう効果がありました」といったものが多いです。ロジカルシンキングの有用性そのものを科学した研究は、実はあまりありません。検討することもないので、わざわざ研究対象にならないのだと思います。
さきほど私は、ロジカルシンキングの良さを説明するために、具体例を挙げて、文字数もたくさん使いました。しかしそれはブログだからできることであって、リアルではいちいちそんな話はしません。
そうなると、理由なしに「当たり前でしょ」「普通に考えてそうじゃん」としか言えなくなってしまい、その結果、大げさに言えば宗教っぽくなります。
それが必ずしも悪いとは思いませんが、理由もなく良いとしか言えないものを、他人に強要することはできません。
おわりに
1つ目の理由はロジカルシンキングをすでに使っている人に向けて、2つ目の理由は使っていない人に向けてでした。
ロジカルシンキングは非常に便利だと僕は思っています。非常に実践的な考え方のフレームワークだと思っているので、これからも公言することなく、こっそりと使い続けていくでしょう。
ロジカルシンキングを学びたい人にオススメしたいのは、この2冊です。
↑ 言わずと知れたロングセラーの名著
↑ これができると、話を聞きながらホワイトボードにまとめるのがうまくなる。